それは憎悪の祝詞だった、お見合いにはずれた奴、そういうのが嫌いな奴、よくわかんないけど面白そうだから参加してる奴。
幾多の憎悪が空を見たし、大地をふるわせていた。
「妹の為なら、私はなんだってするで、悪魔。あと、私を選ばなかった奴らはみんなばきゅーんだあくま」
怪しげな語尾をつけながら、よけ国の使えない方こと嘉納は、怪しげに腰を振って杖を振り回した、振り回した先から途切れ途切れに光線が飛んでいく。
光線をばらまきながら、ゆっくりと敵影の中から個人的にこれを機会に一撃加えたい奴を捜す。
もてる奴、幸せそうな奴、後色々、特に恨みはないが、大儀がある。
それは魔法使いの孤独な大儀、幸せに背を向けた悲しいそねみ
怒りが術力にかわる、杖を両手でもって高々とあげると嘉納は叫んだ。
「眼鏡!! レーザー!!! でげるげ、まちがえた、悪魔」
眼鏡からほとばしる二つの炎球が敵陣の中で激しく爆発する。
嘉納は背に生えた翼をぱたぱたと動かした。
「レーザーといっておきながらボムを撃つ、まさに悪魔で悪魔」
けたけたと笑い名が嘉納は悩ましげに頭を振った。
黒崎は涙を流していた、むろん、目からではない、心でだ。
黒崎は悲しかった、何が悲しいといわれればヤガミ関連であり、またついでに選ばれなかったことも少し悔しかった。
体は男でも心は愛すべきヤガミ妖精、傷つきやすいところもある。
眼鏡、それを発見した黒崎は素早い、顔と魂を感じてすぐにヤガミでないことを知った黒崎は、素早く回り込んで間接をとって、折る、折る、折る折る折る折る折る折る。
整体士の値が引くような速度で間接を砕く、逃げられるように片手片足は残しておいた、綺麗にへし折ったから後遺症も残らないだろ
「ハズレかいな、次探さんとな」
側を通った仲間がいや、おまえわかってからおっただろうといおうとおもったが、やめた。
間接は一生の友達だからだ。
自分で作った壁を増築して敵陣を分断させながら、涼華は親友のありようをみて、思わずつぶやいた。
「いけない、怒りに我を忘れてる」
はっとした表情で左右を確認、誰もいないので、一人で小さくガッツポーズ。
いつかいってみようとは思っていたがチャンスがあってよかった。
法悦とともに意志壁を盾にしてたたき込む、たたき込んで押し倒してマスクを剥がす。
偽物だった、壁の下敷きにして、次の敵を探す。
「あー、どこにいるのー、晋太郎さーんー」
文字通り敵を踏みつぶしながら、涼華はの要塞攻撃が続いていた。