【剣士のやってそうな修業6年(とある流派の修行風景〈エトセトラ〉6年分)】:評価5:RD8
┣【武器を振る】
┣【鎧を着て走る】
┣【馬の世話をする】
┣【薪割り】
┣【野良仕事】
┣【武具の手入れ】
┣【山籠り】
┗【座学】
設定文:(50文字以上)
【武器を振る】
剣士は武器を使う職業である。それも、手足の延長のように使えなければ役に立たない。そう、最後の一ミリまで。全ての剣士がそうだと言っているわけではない。そういう流派もあると言うことだ。流派によって変わるが、剣だけでなく、槍、ランス、ポールウェポン、小剣、盾、投げナイフ、弓など、その流派で使用するあらゆる武器を己の手足とするために努力する。実は6年では、まだまだ修行の途中である。
【鎧を着て走る】
この流派では、状況に合わせて様々な鎧を装備する。入門したての者は、みなプレートメイルに憧れるのだが、フル装備で走るこの修行を経た後は、各々身の丈にあった鎧を選べるようになる。平地から始まって、荒れ地、森の中、川、山岳地帯と、ありとあらゆる所を走り回る。のみならず、わざと転んで素早く立ち上がったり、鎧のまま高所から飛び降りたりする修行、全力疾走から樹にぶつかりにいく修行などは、知らないものが見たときに訳がわからないと評判である。これ等は全て、鎧の重さ、防御力、可動範囲、バランスを己のものとするためにある。転けて起き上がれない者も、ちょっと走ったくらいで息があがって動けないものも剣士ではなく、ただの的である。この修行を究めれば、身体を破城槌代わりに木の扉くらいなら簡単に破れるようになるが、6年ではなかなかそこまで辿り着けない。
【馬の世話をする】
剣士は基本的に歩行(かち)で戦うが、できれば馬に乗りたい。馬に乗れば機動力が上がり、遠くまで見渡せ、高所から攻撃できるので無茶苦茶有利なのだ。ただまぁ、馬は高い。そこでバイトをすることになる。馬の世話をバイトで行い、馬を買うための積立てをしつつ、馬の気持ちを理解していくのだ。
【薪割り】
薪割りは剣士にとって馴染み深い修行である。低物理域において、日々の燃料を確保しつつ、武器を振り下ろす筋肉を鍛えられる。ただ、この流派では、薪割りを通して別のことを学ぶ。ものの壊し方である。木には目があり、斬撃の方向次第で簡単に割れる。薪をおくときに目を読み、その木その木に合った方向から、的確に斬撃を放つ。薪割りはそのための修行である。
【野良仕事】
剣士は戦ってお金を稼ぐのだが、世界は毎日戦闘をしているわけではない。そうでないときに生活の糧を得るため、この流派では野良仕事を推奨している。鎧を着て畑の中を歩くのは大変で、よい修行になるからだ。そう、この流派では野良仕事も鎧を着て行う。定在修行である。
【武具の手入れ】
ここまででわかったと思うが、この流派は装備をとことん使い倒す。すぐに痛むのでいちいち鍛冶屋に修理に出すのは大変である。なので、自分で手入れして、自分で修理することを覚える。ついでに、痛む場所や痛み具合を見て、自分の使い方、武器や防具の構造も理解出来るので、一石二鳥である。
【山籠り】
この流派では、修行の区切りとして6年目に山にこもる。自給自足の生活を通して、命の大切さを知ることが目的である。つまり、生き物を殺して喰らい、自らが剣士として生きていけるかを、自分に問いかけるのである。
【座学】
座学とは、座って机の前で行うのが、フツウである。この流派は残念ながら普通ではなかった。鎧を着て、走りながら行う。息が切れる状態できちんと発音できるように、だ。よくとおる声は、戦場でよくとおる声は、それだけで武器になる。内容は、礼儀作法とか、言葉遣いであることか多い